ロワール川流域の城の一覧と似ている理由【フランス・ロワール渓谷の居城】

西洋文化に詳しい王女『ロゼリィ』が解説する『西洋史』

王女様、今までお城のお勉強を色々してきましたが、ロワールのお城はどれも似ている気がしますが、なぜでしょう?


それには理由があるのですよ。


理由があるのですか?


それでは調査の旅に、一緒に出かけましょう。


はい!楽しみです!


ロワール川流域の特徴

ロワール川の場所と名前の由来

まず、ロワール川の実態を理解しましょう。



こちらがフランス全体の地図で、ロワールは左上です。


「Wikipedia」Author:Kmusser • CC BY-SA 3.0


こちらの赤枠辺りが主にロワール渓谷の城と呼ばれる地域です。


ロワール川の城は、上記の四角の左半分である
Pays de la Loire(ペイ・ド・ラ・ロワール)と、右半分であるCentre-Val de Loire(サントル=ヴァル・ド・ロワール)という地方に多く点在しています。

どちらも「ロワール」という名前が付いてます。


はい。これらは元々この地域の名前ではなく、ロワール川から名付けられたのですよ。


それだけロワール川の存在は大きいのですね。


ロワールの語源は、ラテン語の「Liger 」で、それはガリア語(ケルト系言語) の「liga」(沈殿物)に由来すると考えられています。

ロワール川流域の都市の名前

具体的には、下流域から順番に、
  • シャロンヌ=シュル=ロワール
  • アンジェ
  • ソミュール
  • アゼ=ル=リドー
  • ヴィランドリー
  • トゥール
  • アンボワーズ
  • ショーモン=シュル=ロワール
  • ブロワ
  • シャンボール
  • シュリー=シュル=ロワール
といった歴史上の重要都市が点在し、数々の名城が現存していることで重要です。

「=シュル=ロワール」が付く名前が多いですが、どうしてですか?


これは、フランス語のシュル「sur」は「上に」という意味で、他に同名の都市がある場合や、ロワール沿いということを明確に示していることが挙げられます。

そしてそれらの城は…


それらの城は?


世界遺産に登録されています。


世界遺産?


ロワール川流域の城と世界遺産

ロワールの城などは、
シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間の
ロワール渓谷
に登録されています。

シャロンヌは初めて聞いたのです。


シャロンヌで区切られているのは、
  • 上流側 → 王権・貴族・宮廷文化の川
  • 下流側 → 商業・港湾・大西洋交易の川
となっているからです。

シャロンヌには有名な城はありませんが、サン=モーリユ教会などがあります。

Église Saint-Maurille de Chalonnes-sur-Loire

ロワールの城の一覧

では、研究と同時に、せっかくなので景観を楽しみながら、順番にロワールの城を見ていきましょう。


はい!わくわくなのです!


ロワール川沿いの城

アンボワーズ城


アンボワーズ城「Château d'Amboise」は、「Centre-Val de Loire」にある、15〜16世紀に造られたルネサンス様式の城です。

建築には、
  • コリン・ビアール
  • ギョーム・セノール
  • ルイ・アルマンガー
による建築家が記録されています。

アンボワーズ城の外観の特徴は、
  • 白い石壁
  • 濃い青灰色
  • 装飾ドーマー
  • チムニー(煙突)
  • フィニアル
が挙げられます。


すぐ近くにロワール川が流れています。


最高のお庭と景色です!



イギリス式庭園もあるわ。


芝生でお弁当食べたいです!


ブロワ城

ブロワ城「Château de Blois」は、「Centre-Val de Loire」にある城で、
  • ルイ12世の翼
  • フランソワ1世の翼
  • オルレアン公ガストン
など、それぞれの建物の棟の名前があります。

それらは、13世紀〜17世紀にかけて建てられた、ルネサンスを含む様々な様式になってます。


フランソワ1世の翼で、螺旋階段が有名です。



ルイ12世の翼で、ルイ12世の彫刻や赤煉瓦を使った壁で有名です。



オルレアン公ガストンの翼です。


フランソワ1世の翼の特徴は、
  • 白い石壁
  • 濃い青灰色
  • 装飾ドーマー
  • チムニー(煙突)
  • フィニアル
が挙げられます。


左の尖塔の見えるサン・ニコラ・デュ・フォワ教会の右側がブロワ城です。


ロワール川に架かる橋と教会とのアングルが良いですね!


ショーモン城


ショーモン城「Château de Chaumont」は、「Centre-Val de Loire」にある城で、シャルル1世、シャルル2世によるルネサンス様式となっています。

「Wikipedia」Author:Manfred Heyde • CC BY-SA 3.0


「Wikipedia」Author:Manfred Heyde • CC BY-SA 3.0


木に囲まれていて、庭側(入口側)からはロワール川を見られるロケーションは限られているようで(上記最初の画像の左側の塔の奥から少し見えると確認)、中庭のテラスからのロワール川の眺めが良いです。

ソミュール城


ソミュール城「Château de Saumur」は、「Pays de la Loire」にある、中世要塞とルネサンス様式が織り混ざった城です。


  • バトルメント
  • マチコレーション
などがあるのが要塞的ですが、
  • 装飾ドーマー
  • フィニアル
があるのはルネサンス的です。

こちらも
  • 白い石壁
  • 濃い青灰色
  • チムニー(煙突)
が存在します。


高台にあるので、ロワール川と一緒に見るととても映えますね。


ずっと眺めたくなるようなお城です。


シュリー=シュル=ロワール城


シュリー=シュル=ロワール城「Château de Sully-sur-Loire」は、「Centre-Val de Loire」にある城です。

ルネサンス様式ほど細かい装飾はありませんが、
  • 白い石壁
  • 濃い青灰色
  • 装飾ドーマー
  • チムニー(煙突)
  • フィニアル
  • マチコレーション
などが挙げられます。


ロワール川は、この堤防の向こうに流れています。

写真はないのですか?


写真はないです。


モンソロー城


モンソロー城は、多角形の塔など中世色はありますが、初期のルネサンス様式とされ、
  • 白い石壁
  • 濃い青灰色
  • 装飾ドーマー
  • チムニー(煙突)
  • フィニアル
  • マチコレーション
などが特徴です。


ロワール川に面しています。


すぐそばなのですね。


ロワール川沿いではない城

アゼ=ル=リドー城


シャンボール城


シュノンソー城


シュヴェルニー城


ユッセ城


ヴァランセ城


ヴィランドリー城


ロワール川の城が似ている点


ロワール川の城が似ている理由

フランス国王による改築

ロワールの城は、フランス王国のフランス王の宮廷がこの地域に設置された城を、15世紀と16世紀に再建または大幅に改造されたという建築的特徴を持っています。

Châteaux of the Loire Valley

フランスルネサンス様式

ルネサンス様式は、イタリアで誕生しましたが、それがフランスに伝わり、フランス・ルネサンス様式となりました。

そしてこのロワール川流域は、15世紀後半〜16世紀前半に建てられた城が多く、フランス・ルネサンス様式で建てられた城や改築された城が多いです。

アンボワーズ城は、イタリア・ルネサンス様式の庭園を最初に取り入れた城とされています。

アルドワーズ石瓦(スレート)屋根

屋根には、アンジュ産のアルドワーズ石瓦(スレート)が、屋根瓦として使われています。

アンジュ産スレートアルドワーズ屋根瓦
アンジュのトレラゼ採掘場が有名で、トレラゼには、スレート博物館「Le Musee de l'Ardoise」があります。

Le Musee de l'Ardoise

トゥフォー石を使った壁

ロワール地方にあるトゥフォー石(凝灰岩)を使っています。

Tuffeau stone

ロワール渓谷の城に影響を受けた建築様式

シャトーエスク様式


シャトーエスク様式は、19世紀ごろを中心に、このロワール渓谷のフランスルネサンスを基盤としたスタイルとして、アメリカやカナダやイギリスなどに広まった建築様式です。

主に邸宅や大邸宅としての建物が多く建てられ、大きなものとしては学校なども取り入れられました。

シャトーエスク


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