![]()

それではMoeちゃん、お城の歴史と分類、そして城の部分要素を理解したので、次は内部構造ですよ。
お城の内部ですか。いよいよなのです。
こちらも、時代区分によって変わってきますので、復習も兼ねて順番にみていきましょう。
はい。
古代の城(ローマ帝国要塞)の構造と配置
カステルム(砦)の構造の配置
まずは、お城の元となった、カステルムとカストルムです。こちらはざっと見ていきましょう。
はい!
司令官や管理者の居室
食事や書類管理もここで行われることが多い。
倉庫・貯蔵室
場所によっては地階にまとめられることが多い。
見張り塔・内部空間
実質的には居室というより通路・監視用。
カストルム(要塞)の構造と配置
- イギリスの「ハドリアヌスの城」
- オーストラリアの「カルヌントゥム」
- 現ウィーンの「ウィンドボナ」
- ドイツの「ザールブルク城砦」
プラエトリウム(司令官の邸宅・会議室)

参考サイト
タベルナクルム(テント・兵舎)
しかし違和感があり、Contuberniumは、「共に」を意味する「Con」に、「住まい」「テント」を意味する「tabernaculum」を合わせた言葉と考えられます。
tabernaculum
Wikipedia「Contubernium」
にあるように、「テント(パピリオ)とロバとカストラ(野営地)の2つの部屋を共有する8人の男性で構成されている」とあるので、一部屋4人と考えると、近代英語における「兵舎」を意味する「barracks」のイタリア語「Caserma」である
こちらのページ
に、「4人の兵士のための部屋」を意味するとあるため、「quaterna」が妥当かもしれません。
ホレウム(倉庫)

ハドリアヌスの城のホレウムのイメージ
バルネアエやテルマエ(小浴場や大浴場)
古代の要塞といっても、一通りのものは揃っていたのですね。
ローマ軍のものは規模が大きなイメージですね。
中世中期の城(要塞)の構造と配置
モット・アンド・ベーリーの構造
しかし、この時期から城内に小規模な礼拝施設が現れてきます。

| 1 | 木製のドローブリッジ(跳ね橋) |
| 2 | 木製の門とフェンス |
| 3 | チャペル(礼拝堂) |
| 4 | 木製の門とフェンス |
| 5 | ローズホール |
| 6 | キッチン |
| 7 | バラック(兵舎) |
| 8 | かじ屋 |
| 9 | ワークショップ |
| 10 | 厩舎(家畜小屋) |
| 11 | 店舗 |
| 12 | 木製のドローブリッジ(跳ね橋) |
| 13 | 段差&木製の門塔 |
| 14 | パリサード(柵) |
| 15 | 石造のキープ |
日本語にしてみました。
ありがとうございます。とても分かりやすいですね。
シェル・キープの構造

レストーメル城の計画書
| A | 門 |
| B | 客室 |
| C | 台所 |
| D | 大広間 |
| E | 私室 |
| F | 礼拝堂 |
初期モット・アンド・ベーリーは、モットにあるキープは監視塔としての役目で、各施設や生活の中心は、ベーリーでしたが、このシェル・キープが出来てからは、それら生活圏はモット側に集約されます。
だんだんと要塞のような形になってきました。
中世後期の城(要塞)の構造と配置
次はカーテンウォール式城郭です。
中世要塞!楽しみです!
カーテンウォール式城郭
はい。それでは、内面構造を見ていきましょう。
カーテンウォール式城郭の構造
今回はカーナーヴォン城を例に見ていきましょう。
カーナーヴォン城!
カーナーヴォン城の構造

「Wikipedia」Author:Cadw • OGL v1.0
| A | 水門 |
| B | 鷲の塔 |
| C | 王妃の塔 |
| D | 井戸の塔 |
| E | 外廓 |
| F | 大広間 |
| G | 台所 |
| H | 侍従の塔 |
| I | 王の門 |
| J | 内廓 |
| K | 黒い塔 |
| L | 穀倉の塔 |
| M | 北東の塔 |
| N | 貯水の塔 |
| O | 王妃の門 |
カーナーヴォン城はこのようになっているのですね。
クアッドラングラー城郭の構造

ボディアム城

カリュー城

ボルトン城
ボディアム城、綺麗過ぎます!
Quadrangular castle
また、「courtyard castle」(コートヤードキャッスル)とも言われます。
中でもボディアム城は、最も綺麗に残されている一例です。
クアッドラングラー城郭?
はい。よく中世の要塞として例に挙げられたりするのはこの形です。
行き着いた先の要塞の完成系の建築様式、みたいな感じですね!

ラルワース城
Lulworth Castle
「要塞化された城の復活したスタイルで建てられた」とありますね。
京都大学
の研究サークルの資料には囲郭城郭のような記述がありますが、単なる囲郭ではないのでこれを指しているわけでもなさそうで、それ以外には情報もなく、確証的な名前が見つかりませんでした。
「Quadrangular castle」「courtyard castle」と書かれているため、「中庭式方形城郭」くらいでしょうか。
ボディアム城の構造
では、ボディアム城を例に取ってクアッドラングラー城郭を見ていきましょう。
ボディアム城!!
こちらはボディアム城の計画内面図です。

| A | 家庭用住居 |
| B | チャペル |
| C | 城主の寝室 |
| D | 城主の大広間 |
| E | 城主の集会部屋 |
| F | 飲料貯蔵室 |
| G | 食料室 |
| H | キッチン |
| I | 家臣の食堂 |
| J | 家臣のキッチン |
| K | おそらく応接室 |
| L1 | おそらく掃除用具室 |
| L2 | おそらく厩舎 |
| M | 北東塔 |
| N | 東塔 |
| O | 南東塔 |
| P | 裏門塔 |
| Q | 南西塔 |
| R | 西塔 |
| S | 北西塔(牢獄付き) |
| T | ゲートハウス(左右にガードルーム) |
| U | 内側の土手道 |
| V | 外側のバービカン |
| W | 外側の土手道 |
ほんとに部屋構造も囲むようになっているのですね。
それでは、集中式城郭を見てみましょう。
はい!
集中式城郭の構造
ビューマリス城の構造

「Wikipedia」Author:Cadw • OGL v1.0
堀の内側には、カーテンウォールを隔てて「Outer Ward(外郭)」が広がり、居住の中心ではなく、ツヴィンガーという挟み打ち作戦に使われたりしました。
外郭城壁には複数の出入口と防御施設があり、
- 北側に「 Llanfaes Gate(スランフェス門)」
- 海側に「Gate Next the Sea(海側の門)」
- 南側に「South Gatehouse(ゲートハウス)」
門の前面には「Barbican(前衛防御)」があり、門に直接到達できない構造になっています。
また、城は海と直結しており、物資や兵員の輸送のために「Castle Dock(船着場)」が備えられ、その近くには城の自給機能を支える「Mill(水車)」が存在しました。
外郭城壁の上部には、守備兵が移動・戦闘を行うための「Gunners Walk(火砲兵通路)」があり、壁を横断できるようになっています。
外郭防御を強化する塔として、
- Middle Tower(中央塔)
- South East Tower(南東塔)
- Chapel Tower(礼拝堂塔)
- Nouth East Tower(北東塔)
城の中心であり最終防御線でもある「Inner Ward(内郭)」は、城主と城の中枢機能が集まる空間で、生活に必要な施設がまとめられており、
- Kichen(台所)
- Stables(馬小屋)
階段は塔に面して螺旋階段があるのかと思ってましたが、小さく塔の一部に設置されてるのですね。
このボディアム城とビューマリス城の図を見る限りそうなっているようですね。
こうして各形式の基本構造を学ぶと、よく要塞のお城の作りが分かりました。
それでは、まとめて以下のサイト様が綺麗にまとめていらっしゃるので、応用も兼ねて見てみましょう。
わぁ、基本を知っていると全部理解出来ました!
近世以降の城(居城や宮殿)の構造と配置
さて、Moeちゃん、いよいよ近世の城ですよ!
とっても楽しみなのです!
居住としての城の構造
シャンティイ城の内部構造

「Wikipedia」Author:Daniel VILLAFRUELA
Les grands appartements
| S1 | Hall d'entrée(玄関ホール) |
| S2 | Antichambre de la salle des Gardes(守衛の間の前室・控え室) |
| S3 | Salle des Gardes(守衛の間) |
| S4 | Le petit cabinet(小書斎) |
| S5 | Le grand cabinet(大書斎) |
| S6 | La grande singerie(戯画が飾られた応接室) |
| S7 | La galerie des batailles(戦争画廊) |
| S8 | Le salon de musique(音楽ルーム) |
Les galeries de peinture
| S10 | Galerie des cerfs(狩猟ギャラリー) |
| S11 | Galerie de peinture(絵画ギャラリー) |
| S12 | La rotonde(円形広間) |
| S23 | La galerie de Psyché(ギリシア神話ギャラリー) |
| S26 | La tribune(高所観覧席) |
Parterre de la Volière
Cour de la Capitainerie
Cour d'Honneur
ヴォー=ル=ヴィコント城の構造

Cabinet(書斎)
Chambre(寝室)
Antichambre(待合室)
Grand Sallon(大広間)
caves(地下倉庫)
bains(風呂)
Vestibule(玄関前室)
Garde-robe(衣装室)
Costé de la Cour(中庭側)
居城としての城は、特に中世要塞ほど決まった形はなく、またバシリカ式の教会や大聖堂のように形式はないですね。
そうですね。大広間や衣装室や書斎など、居城や城館ならではの特徴はありますが、全体の形や配置などは自由度がありますね。
城館の内部寸法
では最後に、一般的な城館の部屋の寸法を考察してみましょう。
はい。
参考に、日本の部屋は以下の通りです。

6畳:約2.5m × 3.5m

10畳:約3.5m × 4.5m
これよりは大きそうです。
ヴェルサイユ宮殿の部屋の寸法
ヴェルサイユ宮殿
この頃はピエという単位で計測されていて、32ピエのほぼ正方形で、1ピエは32.48cmなので、
32 × 32.48 = 1039.34cm
よって、ヴェルサイユの寝室の幅は、約10mになります。
このような城の資料は、所有者や公開情報、内部撮影禁止などの理由もあり、専門的に情報を入手できる城が限られています。
たしかに、城館なら個人所有のお城も多いですよね。
その中でヴェルサイユ宮殿は比較的制限ぎ緩いみたいですね。

これがヴェルサイユ宮殿の内部構造です。
一番右の一番濃い紫色の一番上の濃い紫の部屋が寝室なので、濃い紫の他の部屋もだいたい10mくらいになっています。
その左の薄い紫は、書斎や台所などで、やや小さめになっています。
王の寝室

王の寝室
こちらがフランス国王の寝室です。
ベッドが小さく見えるのです。
そうですね。
ちなみに10m×10mは日本では何畳ですか?
約60畳です。これくらいです。

宴会場ですか…?
はい。それくらいのイメージです。
王妃の寝室

こちらが王妃の寝室です。
どちらにしても広いです。
王の寝室(1701年以降)
こちらのサイト
には90平方メートルと記載があるので、例えば9m × 10mのような構成です。
こちらがおそらくこの寝室です。

高級感があります。
一般的な城館の寝室や私室の寸法は?
ということで…
特にヴェルサイユ宮殿は絶対王制で、フランス革命前なので、他の宮殿などより広かったと考えられます。
そう推定すると、王侯クラスの城館の私室は一辺が6m〜8mと考えられます。
更に小型の城館クラスであれば、4m〜6mくらいでしょう。
ちなみに絶対王制(絶対君主制)は、
こちらの記事
で解説しています。
5m四方であれば約16畳です。
16畳…日本では、広いリビングくらいですね。
以上、今回はお城の内部構造と、私室の寸法まで考察していきました。
ヴェルサイユ宮殿はとても広かったです。
宴会場のような広さでしたね。
それでは、今から王女様のお部屋で宴会を開きましょう!
残念ながら、私のお部屋はヴェルサイユ宮殿ほど広くはないのです。。。